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軍国少年の半世紀、そして結局...
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 産経の【軍事報告】対人地雷の認識にめまい 野口裕之を読んで目眩がしてきた。
この野口って人は時折おかしなことを言い出すんだけど、僕も、平時の感覚で非常時をはかることには違和感があるし、そういう観点で安易に安全保障のオプションを捨ててゆくことには賛成しかねる、そこは同じだと思う。

 けどこれはなに?

だが、被害多発地帯での民族紛争や内戦は主に、民兵同士や軍紀を保てない国内外の軍同士で行われる。共に国際法違反である非戦闘員居住区への地雷埋設を平然とやってのける。地雷埋設記録もとらず当然、停休戦や終戦の後も回収しない。そういう輩に限って、調印対象ではない民兵組織や調印意志がない国家ときている。

 この伝で行けばあんたらの大好きなアメリカがベトナムでやった航空機からの耕作地に対する地雷ばらまきはどう説明できる?
アメリカは地雷ばらまいた場所を記録し、ばらまいた数を記録し、戦後回収したか?
ソ連がアフガンでばらまいた地雷は誰が処理してる?
あんたの立てた仮説なんてのは頭っからひっくり返ってますぜ。

 そして次はこれ。

これに対し、日本で「カンボジア」のケースは生起しない。専守防衛であるから、埋設地域は自国領。親兄弟ら同胞の住む母国である。厳正な規律を他国から賞賛される自衛隊ならずとも、敵撃退後の回収は疑いもない。武運つたなく敵に占領されても、占領軍は軍政や経済を軌道に乗せるため、高い技術を持つ自衛隊に回収を命じるだろう。そもそも、日本は地雷を含む兵器の輸出を禁じられている上に、2006年度末現在、途上国などでの地雷撤去に約280億円超もの巨費を投じてきた。

 ここに書かれている理屈が僕にはまったく理解できないんだけど、専守防衛であることと地雷廃絶反対と論理的にどう関係があるわけ?
たとえばアフガン内戦で撒かれた地雷に限っては自国領だし、アフリカの様々な内戦で撒かれている地雷も自国領だし、あんたの引用するカンボジアの地雷も自国領だ。
で? いったい回収されたか? そして誰が回収してる?
同じことが日本で起きないという断定なんて空疎だし、そこに疑いがないなんてのは強弁に過ぎないっしょ?

 たとえば日本は敗戦後米軍の占領下にあったわけだけど、米軍の投下した不発弾のみならず、旧軍の投棄した砲弾や爆弾がいまだに地中から発見されるわけだが、ここでもあんたの希望的観測は崩れてないか?

 他を平和惚けと断定しながら論を無理矢理進めているあんたこそが平和惚けの最たるものなんであって、唯物の最たる戦争を唯物として認めずに進める論なんてものは全部平和惚けなんだよ。

 さて、本土に地雷を撒くことになるような戦局はすでに敗戦というご意見を目にしたんだけど、では北朝鮮を考えてみましょう。
何故アメリカですらが手を焼くかと言えば、北朝鮮があらゆる可能性を留保しているからですね。
防遏ということはそういうことだと思いますよ。

 今から三十年ほど前になりますが、都留重人さんと森島通夫さんが文藝春秋誌上で論争をやったことがあり、その中の森島さんの発言に「攻撃されたらすぐに白旗を掲げて降伏すりゃいい」(大意)というような発言がありました。

 僕自身がこの森島さんの発言に与することはしませんが、しかし、これはこれで立派に一方の防衛論だと思うわけで、それに類することを言うのであれば非武装中立論にまで進んでいかなければ論として中途半端な気がします。
しかし、でありながらこの手の論者の多くがそこまでを言わないのは、腹の底でそれが実現できないことであることを知っているからだと思うわけで、卑怯な言説だと思いますね。



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