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軍国少年の半世紀、そして結局...
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 オスロに続いてのリマ会議ですが結論を出せずに閉幕した、こういうことのようです。
以下はそれを報じた毎日新聞の記事ですが、これではどう読んでも日本、しかも防衛庁の制服がぶちこわした挙げ句に日本は孤立した、こうとしか聞こえない。

クラスター爆弾:禁止条約結論出ず 日本は孤立 リマ会議
 【リマ大治朋子、澤田克己】不発弾が市民を無差別に殺傷しているクラスター爆弾の禁止条約作りを目指しペルー・リマで開催されていた「クラスター爆弾禁止リマ会議」は、禁止対象をめぐる意見の隔たりが大きく、条約について結論が出せないまま25日、閉幕した。会議では各国が「不発率の極めて高い旧型のクラスター爆弾は廃棄すべきだ」との共通認識を相次いで示したが、日本は「廃棄するかどうかは今後の議論」と指摘するなど、日本の認識の孤立化が鮮明になった。

 また、日本の防衛省幹部らがクラスター爆弾について国民が被害を受けても「防衛上必要」とした発言について参加者から批判が相次いだ。

 会議では禁止対象について、全面禁止を提唱するノルウェーなどと、不発率が低い改良型は当面使用を認める独英仏などに立場が分かれたが、いずれの側も不発率が1%程度以上の種類は「廃棄すべきだ」との共通認識を示した。独代表団は「不発率1%以上なら廃棄すべきだというのが、リマ会議に参加した国の共通認識」と語った。英独カナダは既に旧型の廃棄を予定している。

 日本は会議の席上「人道面と安全保障面のバランスを考慮しつつ対処することが重要だ」と指摘。敵の着上陸侵攻などを想定し同爆弾が必要との立場を改めて示した。さらに、旧型の廃棄について「各国の置かれている状況は違う」と取材に答え、共通認識とはいえないとの考えを示した。

 一方、田母神俊雄・航空幕僚長が「不発弾による(日本人の)被害も出るが占領される被害の方が何万倍も大きい」と同爆弾の必要性を強調した点について、同会議に出席していた英国のエルトン上院議員は「日本国内で使えば市民の犠牲は免れない。軍の論理より民間人への犠牲を最大に配慮すべきだ」と疑問を呈した。また非政府組織(NGO)の連合体「クラスター爆弾連合」のコーディネーター、トーマス・ナッシュ氏は「信じがたい発言。日本を占領できるほど軍事力を持つ敵だったら、クラスター爆弾程度で撃退できるわけがない」と語った。

 日本は不発率が4~20%以上とされるクラスター爆弾を陸空両自衛隊で保有している。

毎日新聞 2007年5月26日 11時18分 (最終更新時間 5月26日 11時38分)


 まずこの条約締結に関する僕の立場ですが、仮想敵国・中国とロシアが参加しないこんな会議で我が国が善人面をすることは国益にも適わないし、もっと言えば上記2国とアメリカが参加しないような軍縮会議にはなんの意味もないということです。

 そして田母神さんがこう言ったかどうかは今のところ他のソースで確認が取れないので言及を避けますが、仮に言ったとしてもそれは国防を預かる制服としては当然の態度、つまり、この条約をこのメンバーでは纏めたくないということで良いんじゃないですか?

 さてこの結末を報じたREUTERSの記事が以下です。

More than 70 countries push for cluster bomb ban
Fri May 25, 2007 7:06PM EDT
By Jean Luis Arce
LIMA, May 25 (Reuters) - Nearly 70 countries pledged support on Friday for an international ban on cluster bombs, but the world's biggest producers of the munitions, the United States, Russia and China, were not among them.
Delegates from 68 countries met in the Peruvian capital, Lima, to broaden support for a declaration agreed to in Norway in February calling for a ban on cluster bombs by 2008.
More than a third joined the process for the first time, having missed the Oslo meeting.
Among them was Laos, littered with more unexploded bomblets from cluster munitions than any other country.
More than 30 years after U.S. airplanes bombed it during the Vietnam War, there are still tens of millions of cluster bomb duds scattered across the Southeast Asian country, each with the potential to kill.
When cluster bombs explode, they scatter numerous bomblets that often lie dormant, exploding only when they are picked up by unsuspecting civilians, sometimes years after they were dropped.
Campaigners say the vast majority of victims are civilians and about a quarter are children.
"We are confident we can agree to a treaty banning cluster munitions within a year," said Steve Goose, director of the Arms division at Human Rights Watch, a nongovernmental organization pushing for the ban.
"Twenty-eight new countries joined the process in Lima, showing that the support for a ban on clusters is rapidly gaining momentum," he added.
The next scheduled meeting is in Vienna in December where organizers hope to gain support from more countries for a ban.
Some nations, mostly European countries that produce cluster bombs, pushed for a compromise that would exempt some munitions from a ban -- for example if they contained self-destruct mechanisms or had a proven reliability rate.
Campaigners said only a blanket ban would do.
"I don't think many countries are rowing back from their position in Oslo," said Thomas Nash, coordinator of the Cluster Munition Coalition, an umbrella group pushing for a ban.
"The problem is that certain countries like the United Kingdom, Japan, Finland, France, Germany and Australia want a weaker treaty," he told Reuters.
The United States, Russia and China did not attend either the Lima or Oslo conference.
Israel, which was heavily criticized for dropping millions of bomblets in southern Lebanon during its war last year with Hezbollah guerrillas, also stayed away.


 米露中の悪徳三大国は参加しなかったが、その代わりオスロには出席しなかった国があらたに28カ国参加してそれが全出席国の1/3であった、これを前進と評価しながら、流れた理由として、主に欧州の生産国が自爆機能の具備とか一定の不発率以下のものは除外すべきだっていうような主張をしたこと、そして毎日が引用しているのと同じナッシュの発言として紹介されているのは「問題は、イギリス、日本、フィンランド、フランス、ドイツ、オーストラリアなどの特定の国がよ緩慢な条約を望でいるということである。」との発言であり、こうなると田母神さんが言ったか言わないかに関係なく毎日は事実を歪曲していることになりますね。
少なくとも日本が孤立したであろうことを想像させる表現はここにはないし、特に日本の制服の発言が物議を醸したという経緯も見えない。

 事実の歪曲と誇張による悪質な印象操作ということですが、それにしても懲りない人達だ。

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