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軍国少年の半世紀、そして結局...
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 昨日は続:国務省年次報告に見るアメリカの裏切り でアメリカ国務省の年次報告の中の国際テロリズムとテロ支援国家の報告内容の変化について

しかしながら2006年版は、既に文章の短さが歴然としているし
North Korea
The Democratic People's Republic of Korea (DPRK) was not known to have sponsored any terrorist acts since the bombing of a Korean Airlines flight in 1987. The DPRK continued to harbor four Japanese Red Army members who participated in a jet hijacking in 1970. The Japanese government continued to seek a full accounting of the fate of the 12 Japanese nationals believed to have been abducted by DPRK state entities;five such abductees have been repatriated to Japan since 2002. In the February 13, 2007 Initial Actions Agreement, the United States agreed to "begin the process of removing the designation of the DPRK as a state-sponsor of terrorism."
 と、型通りに大韓航空機爆破にも日本赤軍にも触れてはいますが、拉致問題に関する記述はやはり大きく変化し、"日本政府は、北朝鮮によって拉致されたと思われる残りの拉致被害者12人の安否情報の完全な報告を求め続けた。"という程度にとどめられています。

アメリカが公式そして非公式に日本政府関係者に「拉致解決の前進」の定義を明確にすることを求めてきていること、そしてアメリカの公式文書の中からすら拉致消されつつあることとは無縁ではないですね。


とアメリカの姿勢変化に対する懸念を書きましたが、ここでは日本の拉致に関する記述が前年より数段簡略になっただけではなく、2005年版にはあった韓国人の拉致被害者や戦時捕虜の記述はざっくり削ぎ通されているんですね。
そうしたこともあってか、お隣韓国でもこの年次報告の変化に反応しているようで、けっさくなのは朝鮮日報です。
朝鮮日報は5月2日の社説・日本人拉致はテロでも、韓国人拉致は違うとでも言うのかで吹き出しそうにネガティブな反応してます野で一部引用しておきます。
以下引用
 韓国人拉致被害者の問題に対し、韓国政府はこれまでも及び腰だった。実際に1990年以降、韓国兵捕虜59人と拉致被害漁民4人が韓国に帰還したが、そのうち韓国政府が帰国に助力したケースは1例もない。本人が幾度となく死の危険を乗り越えながら脱出したケースや、家族が中国を拠点にありとあらゆる方法で助け出したケースがほとんどだ。
 韓国政府は、前回の北朝鮮との交渉で韓国兵捕虜や拉致被害者の問題の解決を図るとしていたが、北朝鮮にコメを提供しただけで何の成果も得られずに帰ってきた。それどころか、北朝鮮の顔色をうかがうあまり、拉北者(北朝鮮による拉致被害者)という表現すら使えないでいる。こんな大韓民国を侮ってか、赤十字会談では北朝鮮側の団長が「韓国兵の捕虜や拉致被害者など存在しない」とまで言い切る始末だ。
 米国が、12人の日本人拉致被害者の問題はテロ報告書にそのまま残しながらも、485人にものぼる韓国人拉致被害者の問題を削除してしまった背景には、拉致された自国民の問題に最後まで粘り強く取り組む日本政府の姿勢と、臭いものに蓋をするような態度で臨む韓国政府との、姿勢の違いが影響した可能性もある。韓国人拉致被害者らは、生まれ育った祖国で人間としての権利を持てなかったために、米国からも同じような扱いを受ける羽目になってしまった。彼らやその家族の苦しみを前に、われわれが無関心でいてよいはずがない。

引用終わり

 韓人独特の激情が見て取れるのですが、我が国のメディアにもこれぐらいのパッションを持ってもらいたいと逆に羨ましくもなりました。(爆
 そしてこれを書いた論説委員は相当の被害妄想を持っているようですが、まどうです?
これはアメリカ政府の盧武鉉に対すると安倍晋三に対するの貸し借りの差だろうし、仰るように拉致に関する取り組みの差でもあるんでしょう。

 しかし今回前段として韓国に関する記述は消えた、次は我が国の番だということですよ。

 割と客観的かつ冷静なのが中央日報で、やはり5月2日の社説・米国「テロ支援国」に北朝鮮を再指定…拉北者は日本人のみ言及の中で消息筋の話を中心に以下のように述べています。
以下引用
  これについて、ワシントンのある外交消息筋は「米国が日本人拉北者問題を取り上げて北朝鮮をテロ支援国名簿に残したのは日本の立場を考慮したことや、報告書の内容が融和的という点に注目しなければならない」と話す。「2.13合意内容を記したのが最も目立つ」としながら「米国は北朝鮮の態度によってテロ支援国問題が容易に解決することもできることを明らかにしたのと同じ」と説明した。
中略
  他の外交消息筋も「米国のテロ報告では1年に1回発表されるが、テロ支援国削除はいつでも可能だ」とし「今回の報告書は北朝鮮が核問題と日本人拉北者問題解決のために積極的な態度を見せた場合、米国は北朝鮮の名誉を回復すると示唆している」と述べた。
引用終わり

 朝鮮日報の感情的すぎる社説の中身はさておき、この二つの社説杜牧の決定的な受け止め方の違いは、年次報告が北朝鮮をテロ支援国家リストに留めていることをどう受け止めているのかなんですが、彼らは「引き続き」と受け止めているのに対し僕は「辛うじて」なんですね。

 このことは、中央日報に引用されている消息筋の話にもあるんですが、あくまでも「指定解除」が前提となっているのが今回の変化だということであり、先稿にも書いたようにアメリカのみならず中国もロシアも我が国に対して、我が国のエネルギー支援参加要件としての「拉致解決の進展」。
ここにおける「進展」の定義を2.13合意と相前後して迫ってきていることと無縁であるはずがない
ですね。

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