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軍国少年の半世紀、そして結局...
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なぜ、うちの子がピラミッドの上でないのか? 保護者とトラブル、訴えられたら…

 当節やはり保険は必要なんだろうけど、それとは別に僕は親がわからない。

 たとえば、僕は世間並みに言えばいい加減な男なのであり、入籍も同居もしていない、と言うより寧ろしたこともない女性との間に娘をもうけ、その認知すらしていない。
そして、僕にはそうした娘がいるということを既に没した母親も父親も知ることなく没し、兄や弟はつい最近、しかも僕の娘とここ数年交友のある彼らの娘達を通じて知ったというような次第だ。

 実のところ僕はこういう形で子をなすことにずいぶんと逡巡をし、そして今でも、果たしてそうしたことがこの娘にとって喜ぶべきことであったのかどうか自信がない。
だから当然に僕は他者に対しても彼女に対しても父親であるという根拠不明な理由に基づいて居丈高に対するということができないし「何故僕の娘が!!」などと考えることすら出来ない。
むしろ逆に「僕のせいで」っと心配することの方が多いんだが、そういう家庭とは違った親子関係を甘んじて受け止め産まれ育った娘は強く、およそ中学の頃には既に「父親のない、しかも女」がそれによる差別を回避して生き抜くためにはどういう進路をとるべきか、こんなことまで自分で考えていて、勝手に着々と進学を重ね、その進路を全うするために必要と狙った大学にはほぼすべて合格し、その中の父親も母親も合格し得なかった大学に進学してるんだな。

 だから僕はこの娘のことは今のところたいして心配しておらず、合格大学中の進学する大学を決定する時に母親と意見が対立して僕に仲裁を求めてきたように向こうからなにかを求めてこない限りは、進路に関して彼女が金の過不足を考える必要のない程度に金を出すことと身の危険を排除してあげることのほかはなにもしないでおこうと思っている。

 娘には聞きもしないし彼女も言わないので、彼女がこれまで不当な扱いを受けたことがあるのか無いのかはわからないけど、しかし娘はかってに立派に育ってる。
だからここまで娘とその周縁の世界に関わりを持ちたがる親の意識が僕にはわからないし、僕にはとても出来ないことだ。

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