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軍国少年の半世紀、そして結局...
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 以下は某猿猿日記に引用されたメールだそうだが、こんな一節がある。

それ以外のお話しも示唆に富むお話しばかりで、例えば、「貧困の定義とは、その日の夕食に食べるものがない」と言うことです。「それ以外は貧困に入りません」と曾野先生は断言され、南木は実に共感できます。

 まぁ何を言おうが勝手と言えば勝手なんだがこんな独善に満ちたバカ丸出しの定義をする曾野綾子も曾野綾子、そしてそれに共感したと言える人物も如何なものかと思う。
そしてそれをまた我が意を得たりというような風情で引用する人物もね。

 しかし曾野綾子はここまでバカか、些か心配になったのでソースを辿ってみた。
 ソースはMXテレビの「ザ・インタビュー」 5月12日放映分での発言らしいが、残念なことに僕は再放送(5月27日20時)も見られそうにない。
でこのインタビューのコメント欄を見てみたのだが

作家活動とともにNGO活動に熱心な曽野さん、今でもアジア・アフリカの貧民救済に現地を訪れる。そこでの貧困とは「今晩食べる物がない」こと。まず自分の目で確かめることが大切という。

 少々納得した、これはアフリカの貧民に関する話の中での発言だったようだ。(大爆

 たとえば故池田勇人元総理の発言としてしばしば引用される「貧乏人は麦飯を食え」というのがある。
もっともこれはその発言場面の池田さんの本意とは違った形で字句のみが抽出されて失言問題化された事件でしたが、理路が正しくても政治家が語彙の用法を間違って発言すればとんでもない騒ぎになる。
曾野綾子のこの発言の場合も、当該箇所だけこういう形で抽出して紹介された場合の印象は傲慢以外の何物ではなくて、博打のカスリの配分で弱者救済をやって聖人面をしてきた保守の女流重鎮の素のメンタリティーは実はこうだったのかということになろう。

 このメールの送信者の南木という人がどういう意味で曾野綾子の発言を示唆深いと感じたか、それはこれだけの文面では解らないし、これは私信だ。
 しかし、この猿猿日記の運営者が何故この私信をこういう馬鹿げて配慮のない形で転載したか?
これはこの人物のこれまでの言動から推し測るほかないが、この人物は曾野綾子の引きで我が国で怪しげな肩書きで物を書く機会を得ていたという噂でもあり、この私信が曾野綾子を賞賛する文面であったから曾野に対するヨイショのつもりで転載した、そんなところなのかもしれない。

 しかしこれでは一つ間違えば贔屓の引き倒し

 あるいはこのエセ右翼でありエセ保守でもある猿猿日記の運営者は小泉・安倍政権マンセーだから、これらの政権に向けられている格差社会批判に対する反論のつもりで曾野の発言を転載したのかもしれないが、貧困の定義などと言うものは、語られはじめて既に30余年経つ現在でもあらゆる状況に適用可能な絶対的定義の存在しない問題であり、国民総生産の桁が違うアフリカの定義がそのまま我が国に引用できようはずがないではないか。

 そういうことに思いを及ぼすことも出来ずに脊髄反射で転載をやってしまう、その教養や見識の低劣さもさることながら、これでジャーナリストだノンフィクション作家だと鼻の穴をふくらませるのだからなんともお気楽で無責任な稼業なことだ。


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